JAL, デルタ, 資本提携, 民間企業, 国営化

　

　１９世紀、ソビエト連邦は、マルクスの資本論をもとにスターリンの社会主義体制をつくりあげた。

　社会主義とは、個人の私有財産をなくし、すべて国家によって職業と給料を与えられる国家体制のことだ。

　国のエリートがありとあらゆることを徹底的に管理することで、国全体を統制をもって成長させる国家体制は一見すると完璧であるように思えた。

　しかし社会主義は崩壊してしまう。理由は、社会主義体制では競争原理が働かずに技術が育たなかったことと、管理者も人間であるから上層部に腐敗がまん延したからだった。

　２０世紀、アメリカの自由資本主義経済が台頭する。徹底した自由な競争原理を導入し、技術の成長と市場の成長を達成した。アメリカは、軍事にしても、ITにしても、宇宙開発にしても世界有数の技術を獲得し、金融市場においてもマネーゲームで勝利と収め続けた。

　しかし、自由資本主義経済の中で、人間の欲望は開放され、金融市場では実社会とはかけなれたマネーゲームが横行することになった。やがて掛け金は天文学的数字になり、人々が気づいたころには、誰も手に負えないような借金を国が背負うことになっていた。

　２００９年９月１１日、日本のJALは、米会社デルタと資本提携する可能性があることを発表した。実質的には、JALは膨大な負債をかかえており、資本投入しなければ維持できない状況にたたされており、デルタが数百億円の出資をするという。これによって、JALは米航空会社の傘下に入ることになる。

　日本政府が介入すべきか、民間企業のやっていることは民間企業に任せておくべきなのか。いったい企業とは何なのか。企業のあり方を問い直す時期にきている。

　

　

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