スペイン,ブドウ畑,ワイン,温暖化,イベリア,バレンシア

　２００７年、スペインのバレンシアで気候変動に関する政府間パネル（IPCC)の総会が行われ際に、地球の地上平均気温が、今世紀末には２０世紀末より最大で約６．４度上昇するという科学的内容が確認された。

　2009年7月のAFP通信によると、スペインでは、スペインのワイン生産者らは、ブドウ畑をより高度の高い場所へ移転することを余儀なくされている。スペインは、地球温暖化の影響を色濃く受けている国の一つだ。

　　スペインはワイン用ブドウの作付面積では世界一だ。しかし、気候変動の影響で、イベリア半島は半砂漠地帯に変わりつつあるつつある。スペイン環境省によると、同国は欧州一の乾燥地帯で、気候の「アフリカ化」が見られ、国土の3分の1が「深刻な」砂漠化のリスクに直面している。

　ブドウの栽培には太陽が不可欠だが、あまりにも暑いと、ブドウからは糖分のほかに、香り、硬さ、色をゆっくりと醸成する要素が失われてしまうという。

　大手ワイナリーとスペインワイン連盟（Spanish Wine Federation）は、こうした危機に対処する方法を模索している。そして、ブドウをゆっくりと熟成させるプロジェクト「デメテル（Demeter）」を立ち上げた。

　また、有効な解決策の1つとして、「栽培地の高度化」が検討されている。高度が高いと、熱が和らいで夜も涼しいため、ブドウの熟成も改善される。地元の研究者は、「ブドウ生産者は、今後15年以内に、海抜800メートルから1000メートルの間にブドウ畑を作る必要にせまられるだろう。大手メーカーは既に高地の土地を購入し始めている」と話している。

　また、２００８年の朝日新聞でもすでにスペインのワイン畑が高地栽培に移動しつつあることを記事にしている。ワイン畑を所有するミゲル社長の畑は、標高数百メートルほどにある。ところが、５０年ほど前と比べ、収穫時期が平均で１０日以上早くなった。ミゲルさんは、この年、標高１２００メートルのさらなる高地に、約８０ヘクタールの土地を購入した。

ぶどう生産が高緯度に・・・。

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